top of page

施工事例 -works-

酒茶房クリエ改装工事

銀山温泉にて、布川建築設計事務所が設計を担当した『酒茶房クリエ』が、8月にオープンいたしました。
店名の「クリエ」は、フランス語で「手紙」という意味です。店の前には、銀山温泉で唯一のレトロな郵便ポストがあり、仙境の里・銀山で手紙をしたためたくなるような、ゆったりとした時間を過ごしていただきたい──そんな思いが込められています。

知人の紹介で初めてオーナーにお会いしたのは秋頃でした。オーナーは同世代で、釣り・アウトドア・お酒・陶芸・民芸など多趣味で博識な方。打ち合わせはたびたび横道に逸れることもありましたが、その何気ない雑談が、私たちの距離を一気に縮めてくれました。

オーナーが目指す店のデザインは、温泉街の景観になじみつつも、明治・大正期の日本の腕の良い大工が、西洋建築を独自に解釈し、アレンジを加えて生み出したような「偶然のようで必然のデザイン」。
何となくイメージはできても、聞けば聞くほど着地点は厚い雲の中にあるようでした。

そんな折、着工間際になって、オーナーの祖父が生前収集していた神代木や古材、銘木が蔵から見つかったと連絡がありました。これらの材料を活かして各部を仕上げることになり、設計者・造り手・オーナーのイメージ共有が急務となりました。

この工事の指揮をとってくださった大工さん(同世代)の発案で、オーナー・大工さん・私の三人で栃木県へ建築物や民芸・陶芸を見に行くことに。
さまざまなものを見て回るうちに、三人のイメージが少しずつつながり、足元を覆っていた霧も次第に晴れていきました。

オーナーの祖父が残してくれた貴重な材料を最大限に活かしながら、話し合いを重ね、適材適所を見極め、一つひとつ手探りで「味のある納まり」を見つけていきました。
コンピューターグラフィックやCADといった表現手法もありますが、このプロジェクトでは、それらがいかに無力かを実感しました。
常にオーナー・造り手・設計者が自問自答を繰り返し、互いの感性をぶつけ合い、まるで手で土を捏ねるように、現場でつくり上げていったのです。

そうして初めて、様式にとらわれることなく、「独自の解釈によって生み出された偶然のような必然のデザイン」が形になったのだと感じています。

新築・リフォーム、ご相談は無料です

家づくりのことなら何でもご相談下さい​

布川建築株式会社

〒999-3512 

山形県西村山郡河北町谷地中央5-8-7

TEL:0237-72-6311 FAX:0237-72-6338

Copyright 2017 Nunokawa Kenchiku , All Reserved.

bottom of page