中古住宅兼店舗を、寿司懐石料理店へとリノベーションしました。
もともとは、あん摩マッサージ指圧店だった建物です。その面影が残らないよう、スケール感に細心の注意を払い設計しました。

寿司店のカウンターは、まるで劇場。寿司を握る大将の流れるような所作は、ステージ上の演者のようであり、カウンターに座れば、観覧席でその一瞬一瞬を楽しむ特別な体験が広がります。
大将との何気ない会話や、惜しみなく手間ひまをかけた新鮮な魚介に舌鼓を打てば、日常の喧騒を忘れる非日常のひとときを味わっていただけます。

その舞台の設えとして、人のスケールを大切にし、目に触れるところ、手が触れるところにまで丁寧に配慮。味わい深い素材を選定しました。
玄関を入ると、心地よい足触りの「なぐり加工」を施した無垢フロアが店内へと導き、波を模した組子障子を開けると、長さ約6mの一枚板カウンターが、訪れる人を迎えます。

お客様が心から寛げる、特別な時間と空間を目指しました。